鳥を見るだけ?バードウォッチングの楽しみ方
バードウォッチングが趣味ですと言うと、たまに「鳥を見て何が楽しいの?」という質問を受けることがあります。そこで、どんな楽しみ方があるのかピックアップしてみました。
- ライファーを増やす
- 仕草や行動を見る
- 写真を撮る
- 羽根を集める
ライファーを増やす
「色々な種類の鳥を見たい!」と、見たことのある鳥の種類(ライファーと呼ぶこともあります)を増やすことを目標にする楽しみ方があります。ポケモン図鑑を集めるような感覚ですね。
図鑑でしか見たことがない鳥を初めて見つけた時の喜びはひとしおです。また、目的の鳥を探すためにその鳥が見られる季節や環境、好きな食べ物を調べることもあるので勉強にもなります。
仕草や行動を見る
バードウォッチングといえばこのイメージが強いと思います。筆者の場合はかわいい生き物をみるのが好きなので、野鳥が首をかしげる仕草や水浴びをする場面、一生懸命に食べ物を探しているところを見て癒されています。鳥を飼ったことがない方には意外かもしれませんが、感情豊かで頭がいい生き物でもあります。そんな鳥たちが懸命に生きている姿を見られるので、かわいい生き物が好きな方には楽しめる趣味だと思います。
見たことがない鳥を探すのも楽しみ方のひとつですが、顔なじみ(?)となった鳥をじっくりと観察するのも楽しいですよ。筆者は、繁殖や越冬のために渡りをした鳥がまた同じ場所に戻ってきたりすると、旧友に再会できたときのような嬉しさを感じます。
写真を撮る
野鳥の写真を撮って楽しむ人もいます。見た鳥が記録として残るため、思い出になります。コレクションにして楽しむこともできます。しかしながら、高倍率のカメラは価格が高いことが難点です。予算に余裕がある方や既にカメラを持っている方は挑戦してみてもいいかもしれません。
羽根を集める
公園を歩いていると、綺麗な羽根が落ちていることがあります。拾った羽根を集めるコレクターも多いです。チャック付きポリ袋などで保管するのもいいですが、部屋に飾ると素敵なインテリアになります。アクセサリーにしている方もいるようです。
まとめ
このように、楽しみ方は人によって異なります。双眼鏡一つで気軽に挑戦できる趣味なので、ぜひトライしてみてください。
バードウォッチングに持っていくもの
バードウォッチングに行く前に、まずは持ち物を確認しましょう。
最低限持って行きたいものと、あれば便利なものをそれぞれ紹介します。
最低限持って行きたい物
- 双眼鏡
- 図鑑
- リュックサック
- 飲み物
これだけでいいの?と思ったかもしれません。
近所の公園に行くだけであれば、この程度の装備で大丈夫です。
リュックサックはなくても構いませんが、双眼鏡を使用するときに両手が空いていた方が便利です。また、長時間滞在する場合でも肩への負担が軽く、疲れにくいです。
コンパクトな図鑑があるとその場で見た鳥を調べられるので、あった方がいいでしょう。ですが、今はネットで検索もできるため、持っていなくても大丈夫です。図鑑を持っていない方のために野鳥を識別するためのサイトとアプリを載せておきます。
「Merlin Bird ID by Cornell Lab」(Google Playアプリ)
「Merlin Bird ID by Cornell Lab」(App Storeアプリ)
あると便利なもの
- フィールドノート
- 雨具
- 行動食
- フィールドスコープ
- カメラ
- ビニール袋
- ティッシュ・ハンカチ
フィールドノート
フィールドノートとは、野外で書くことを想定されたノートのことをいいます。
鳥を見た日付やどこで見たか、どんな鳥を見たかなどを記録しておくために使用します。書き方に決まりはないので、どのようなノートを使ってもいいです。ノートを見返すと、特定の鳥がいつどのような環境で見られるかがわかってくるので、鳥の生態についての知識が蓄積していきます。自分だけのフィールドノートを作成してみてください。
雨具
バードウォッチングをしていると急な雨に見舞われることがあります。雨具はあったほうがいいでしょう。傘では手が塞がって双眼鏡を使用するのが大変なので、合羽やジャケットタイプのレインウェアなど羽織れるものを持ち歩くのがおすすめです。
行動食
行動食は、公園のベンチなどで簡単に食べられるタイプのものを選ぶといいでしょう。カロリーメイトやチョコレートなどのエネルギー補給ができるものが望ましいです。
フィールドスコープ
フィールドスコープとは双眼鏡よりも倍率が高い望遠鏡の一種です。倍率が高い分、手振れが大きくなるので三脚を立てて使用することになります。鳥までの距離がある場合はこちらの使用を検討してもいいかもしれません。一般的に、価格は双眼鏡よりも高めになります。倍率が高いため視界が狭く鳥を探しにくいデメリットもあるので、始めのうちは双眼鏡の使用をおすすめします。
カメラ
カメラを持っている方は鳥の写真を撮っておくと、後で見返せるので便利です。帰ってから図鑑と見比べて種を判別することもできます。撮った写真をフィールドノートに貼るとより充実したノートになるでしょう。高倍率のコンパクトデジカメや一眼レフカメラを持っている方はぜひ持ち歩きましょう。
ビニール袋
ビニール袋を持ち歩くとゴミ袋としても使えますし、落ちている羽を拾いたくなることもあるかもしれません。羽根を持って帰りたいときに裏返してから拾うと直接触る必要がないので衛生的です。羽根を持ち帰ったらしっかりと洗ってから保管してください。
野鳥の探し方
これから鳥見を始める方は、どこを探したらいいのか迷うと思います。近くに公園があればそこから始めるのもいいですが、筆者は水辺での探索をおすすめします。
理由は、水辺は林と違って隠れるところが少ないからです。森林の鳥は小さくて素早く動くものが多く、すぐに葉陰に隠れてしまうため、見つけるのが困難です。葉が落ちた冬であれば見つけやすくなりますが、それでも動きが早く最初のうちは双眼鏡で追うのが大変です。
一方、水辺はカモやサギなど大型の鳥がメインで動きもゆっくりなため、最初はこれらの鳥を観察して慣れていくのがいいと思います。近くに池のある公園や河川などがあれば訪れてみてください。
森林で鳥を探したい方は、目と耳を研ぎ澄ませましょう。足音にも搔き消されるほど小さな声で鳴く鳥もいるので、時々立ち止まってじっと耳を澄ませてみてください。鳴き声を覚えると、目的の野鳥を探しやすくなります。鳴き声を聴きたい方にはサントリーの「日本の鳥百科」というサイトがおすすめです。
目で探すこつは、景色の広い範囲をぼんやり見ることです。そうすると動くものが目に入りやすくなります。
野鳥の識別方法
識別方法を細かく見ると体の部位まで覚えなければいけないので、ここでは大雑把に説明します。
識別するポイントは以下を参考にしてください。
- 大きさ
- 色
- 鳴き声
- シルエット
- 飛び方
- 季節
- 環境
まずはこのポイントを見て、図鑑と照らし合わせてみてください。
野鳥を観察していると、似ている鳥がたくさんいて何の鳥かわからないといったこともあるでしょう。細かな識別点がわかれば一番いいのですが、図鑑を取り出している間に逃げられてしまうことはしょっちゅうです。その場合は、見つけた季節や環境などを考慮して可能性が高いものを絞り込んでいく必要があります。
図鑑を持っていない方は先ほど紹介した「日本の鳥百科」を利用してみてください。鳴き声を聴けるだけではなく、大きさや住んでいる環境などをチェックするだけで簡単に検索ができます。